口腔乾燥症(ドライマウス)
2014.09.15
お口の中が乾くと訴える患者さんが多くおられます。
口腔乾燥症(ドライマウス)といい罹患率は、日本で800万人といわれていますから。15人に1人の割合でおられます。
当院では、ドライマウスの患者さんには、以下の指導をしています。
自分ですぐに出来ることなので、お困りの方は取り組んでみてください。
① 水分のとりかた
利尿作用のあるお茶やコーヒーなどを避け、常温のお水を摂取する。
また、朝や食後3時間経過した空腹時に水分をとるようにする。
②あいうべ体操
次の4つの動作を順にくり返します。声は出しても出さなくてもかまいません。
①「あー」と口を大きく開く
②「いー」と口を大きく横に広げる
③「うー」と口を強く前に突き出す
④「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす
①~④を1セットとし、1日30セットを目安に毎日続ける
この体操は、真剣に行うとかなり疲れます。慣れるまでは、2~3度に分けたほうが続けやすいでしょう。
入浴時にやるのがおすすめです。
また、「あいうべ体操」は、しゃべるときより口をしっかり、大きく動かす必要がありますが、無理は禁物です。
③舌の位置
ベロ先を前歯の付け根の上に置き、舌全体を口蓋にくっつける
少し陰圧にして吸盤のようにひっつけるイメージで、鼻で呼吸する
④唾液線のマッサージ
唾液を作る場所は、耳下腺、舌下腺、顎下腺、があります。
食前に以下をマッサージしてみてください。
耳下腺は、上の奥歯あたり(耳たぶの前あたり)にあります。指の腹で優しく回転するように5〜10回マッサージしましょう。
舌下腺は、あごさきの部分の内側で、舌の付け根にあります。親指でグッと5〜10回押し上げるようにマッサージしましょう。
顎下腺は、顎の内側の柔らかい部分にあります。指先でやさしく5〜10回もむようにマッサージしましょう。
食べる前に、あいうべ体操や唾液腺マッサージすることで、唾液が随分でるはずです。
以前は、口腔乾燥症の対策として、うがい薬や人工唾液をつかっていました。
使った方の感想としてあまり効果の高いものとは言いがたく、費用もかかるので、現在は、おこなっておりません。
その点、この4つは簡単にでき、お金もかかりません。
当院にこられているシェーグレン症候群の患者さんや高齢の患者さんもこの4つの対策で
随分改善されたそうです。
唾液の出し方を知っただけで気持ちが楽になったといわれました。
お困りの方は、ぜひ試してみてくだい。