小児矯正(バイオブロック治療 その4)
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バイオブロック治療は、これでもかこれでもかというほど上下の歯を広げていきます。
横に広げるだけでなく、上の前歯は、上前方に押し上げていき、下の前歯は、前下方に押し下げていきます。
その為、だんだんオープンバイトになっていきます。
治療経過の写真をお見せしますが、最後の写真がサメのように上と下が全く噛み合わない状態がオープンバイトです。
その為、だんだんオープンバイトになっていきます。
この治療法を始めてみたとき、こんなにオープンバイトにして、おいおい大丈夫なのか?と本気で思いました。
バイオブロック治療中にしっかりとオープンバイトを作ることが治療過程で必要です。
不思議なことに、オープンバイトになっていっても、顔はむしろ治療前よりもよくなっています。
さらに治療が進むにつれ、健康的な顔貌に変化する様子を見て、この治療法をマスターしたいと感じました。
十分に拡大して、すきっ歯になった上顎の前歯4本をステージ2で正中によせたら、ステージ3移行します。
ステージ3は、上下一体型の装置でより前方に上下の顎を誘導する装置です。
この装置を付けることで、顔面部骨格の歪 みを解放させ、顎を誘導した位置で上下の歯を噛み込ませていきます。
John Mew先生は、正常に発育するためには、
①舌が口 蓋に接触していること
②上下歯牙が軽く 接触していること
③口唇が閉鎖してい ること、
という3条件が正常発育のために 必要であると主張されています。
ステージ3を入れることで、この3つが自然と身につき、舌と頬の間に歯が並んでいきます。
現在の状態です。
少し下顎が右にズレていますが、装置を入れた状態は、下の写真のようになります。
上下、正中、前後の位置を確認しながら、最終的に噛みこむように誘導していきます。
治療期間 6年間から8年間 (最初2年間は2週間に1回その後 1カ月1回 )
治療費 880000円
バイオブロック治療のメリット
永久歯を抜かずに、歯並びを整えます。
呼吸機能の改善を目指します(口呼吸から鼻呼吸へ)
後戻りの少ない矯正治療です。(実は、矯正治療は、後戻りしやすい治療です)
バイオブロック治療のデメリット
1週間毎に通院が困難な方(週1回通院していただきたい時期があります)
転勤がある方。特殊な技術による治療の為、この療法を行っている所が少なく転居の場合は他院への紹介が困難だからです。
年齢制限がある。開始乳歯の一番奥の歯がしっかり生えている状態でないと治療できません。遅くとも9歳までの治療をお勧めします。
ある程度の几帳面さ、根気強さが求められる。着脱式の装置になるため、装置をつけ続けること、装置を外し、毎日、装置やお口の掃除続けるなど、親子共に頑張る必要がある。
精密な装置を目的な合わせて作り変えるため、一般的な小児矯正に比べ、料金が高い
本治療法でも困難な症例があります。検査の結果によっては、治療ができない場合もあります。